建学の精神に基づき、習得してきた看護師の専門的知識と技術をもとに、公衆衛生看護学の知識体系を学習する。そして、広い視野と洞察力、豊かな創造性をもって他者と協働し、個人・家族・集団・組織からなる地域社会全体の健康レベルと生活の質の向上のために貢献できる看護専門職を養成する。さらに、研究活動や看護実践を通して倫理的感受性を高めるとともに、課題発見力や論理的な思考力、表現力といった看護学の発展に寄与するための能力を養う。
高知学園短期大学専攻科地域看護学専攻の教育方針・ポリシー
教育目的
学習成果
専攻科地域看護学専攻では、学習成果を以下の通りに定める。
- 健康課題の解決のために対象や地域住民、関係機関とのパートナーシップのもとに必要な支援を考えることができる。
- 修得してきた看護学と公衆衛生看護学の知識・技術を用いて個人や家族、集団、地域を統合的に理解し、量的質的データに基づきアセスメントし、対象の健康課題を明確にできる。
- 国や地方自治体が掲げる健康施策を理解し、地域診断に基づいて課題解決のための方策を企画・立案することができる。
- あらゆる人や組織、機関との協働のもと、根拠と説得力をもって自身の考えを伝え、チームの中での役割を理解して行動することができる。
- 対象のもつ権利を擁護する看護専門職としての役割を意識し、倫理的な問題に対して、多面的に物事を捉え、状況に応じた最善策を見出すことができる。
- 看護に関する自らの疑問や健康に関連する事柄についてデータを収集し、科学的な根拠に基づいて論理的思考をもって研究することができる。
ディプロマ・ポリシー（卒業認定・学位授与の方針）
専攻科地域看護学専攻では、地域で生活している人々の健康増進を目指すと共に地域社会全体の健康水準の向上に貢献できる看護専門職として活躍できるよう、次に掲げる資質を身につけた者に課程修了を認定する。加えて独立行政法人大学改革支援・学位授与機構が定める要件を満たした者には、学士（看護学）の学位を授与する。
- 人々の生活と健康について公衆衛生看護学の知識を基盤に、多様な背景をもつ対象者の主体性や価値観を尊重して信頼関係を築き、健康的なより良い生活に向けた支援ができる者。
- 社会の動向や公的機関の役割の理解に基づき、地域の健康課題を明確にし、課題解決のための方策を創造することができる者。
- あらゆる人や組織、機関と連携・協働しながら課題を解決するために、分析力、調整力、交渉力を発揮し、チームの中で役割を担うことができる者。
- 地域の中にある倫理的な問題に対して、看護専門職として権利擁護の視点から常に自身の行動を振り返り、状況に応じた行動ができる者。
- 自らの疑問や看護上の課題に対する探究を通して、論理的思考力や表現力を高め、看護の質の向上に向けて主体的に活動できる者。
カリキュラム・ポリシー（教育課程編成・実施の方針）
専攻科地域看護学専攻では、教育目的に示した保健師と養護教諭一種（養護教諭二種免許状取得者のみ）を養成するため、以下の方針に基づいて、公衆衛生看護に関する基本的知識を、講義、演習、実習と段階的・系統的に応用し、実践力を獲得できるよう教育課程を編成し、実施する。
- 公衆衛生看護学を基盤に、対象理解とアセスメント、家庭訪問、健康相談、健康教育、保健計画、地域組織活動、対象に応じた保健指導といった公衆衛生看護活動を展開できる専門科目を設定し、保健師としての基本的な知識と技術を習得するための教育を実施する。
- 保健医療福祉行政や統計に関する専門科目を設定し、根拠に基づき施策立案・事業化ができる行政職としての知識と技術を習得するための教育を実施する。
- 公衆衛生看護の知識と理論を活かした保健師活動が実践できるよう、臨地における実習を設定し、公衆衛生看護活動を具体的に理解し、人々と協働して看護が実践できるための教育を実施する。
- 既修得科目を統合して、対象や地域の状況に合わせた公衆衛生看護活動を実践する力を養えるよう、臨地実習の前後で学ぶ専門科目を設定し、保健師の役割と公衆衛生看護における倫理について理解を深めるための教育を実施する。
- 国際化・情報化社会に対応する外国語及び情報科学の知識や論理的思考力、表現力などの学士力を身につけるための科目を設定し、看護専門職として自律し主体的に活動できる力を強化するための教育を実施する。
アドミッション・ポリシー（入学者受け入れの方針）
専攻科地域看護学専攻では、卒業認定・学位授与の方針を達成するために、以下の人を入学者として求めている。
- 個人・家族・集団・組織・地域の健康状態を分析し健康課題の発見に主体的に取り組める人。
- 看護専門職としての倫理観のもと、個人・家族・集団・組織・地域の健康課題の解決に向けて熱心に取り組める人。
- 健康課題の解決に向けて他者とともに協力して取り組める人。
そのため、以下の準備が出来ている人を入学者として求めている。
- 看護学の基礎的な知識と技術をもち、地域で生活する人々や地域全体の健康に関心をもっている人。
- 論理的な思考力や表現力、看護専門職としての基本的な倫理観を備え、人々の健康や看護に関する課題について探究する意欲のある人。
- 人々と協力しながら、理想に向かって主体的に学び続ける意欲のある人。
以上の人材として、入学するまでに次の分野の知識や技能、態度を有している人が望まれる。
- 基礎分野：人間と社会の仕組みを理解する幅広い視野と、科学的思考力及びコミュニケーション力、主体的な判断と行動力、情報通信技術（ICT）が活用できる基礎的能力
- 専門基礎分野：看護実践の基盤となる知識及び臨床判断能力、社会資源を活用するための知識と基礎的な能力、主体的な学習態度
- 専門分野：看護学全般の知識、専門基礎分野での学びを基盤とする看護実践能力、看護の知識と実践を結びつける論理的思考力、倫理的判断力、他者と協働する力と協調性、表現力、既修得科目の知識を用いて粘り強く看護実践を行うための意欲と洞察力
入学者選抜にあたっては、特別入試では看護学科において履修した科目の成績から看護学全般に対する知識や技術の習得状況を把握する。また、小論文試験と面接により、論理的な思考力や表現力、地域全体の健康への関心度、協調性、倫理観、主体的に学び続ける意欲等について把握し評価する。
また、本学看護学科卒業以外の学生へも門戸を広げ、多様な背景をもつ学生同士が刺激しあいながら共に学べるよう一般入試を設定する。一般入試では、学力試験と小論文試験、面接を行い、看護学の基礎的な知識、論理的な思考力、表現力、地域で生活する人々や地域全体の健康への関心度、協調性、倫理観、主体的に学び続ける意欲等について把握し評価する。
