高レベルリン酸が骨格筋細胞に与える変調の実態と分子機構の解明
- 所属
- 高知学園大学 健康科学部 管理栄養学科
- 専門領域
- ライフサイエンス、栄養学、健康科学
- 関連情報
研究の目的
- 高リン環境が成熟骨格筋管細胞に及ぼす影響を分子レベルで解析する。
- 慢性腎臓病における高リン血症と骨格筋萎縮の関連メカニズムを解明する。
- 慢性腎臓病に伴う筋萎縮の予防・治療法の開発につなげる。
どのようなことから研究を着想しましたか
腸管上皮細胞の解析により、間葉系前駆細胞の分化制御因子であるPDZRN3がタイトジャンクション(TJ)構成分子であるクローディン1の発現安定性に影響を与え、バリア機能を負に制御する可能性が示されました。さらに、PDZRN3がリン輸送に関与する可能性が示唆されたことから、PDZRN3が高発現する骨格筋細胞に着目し、研究を展開しました。この研究にはどのような面白さがありますか
慢性腎臓病において、高リン血症と筋萎縮が重大な予後不良因子ですが、高リン環境が成熟骨格筋細胞に与える直接的な影響がほとんど明らかにされていません。 骨格筋細胞を用いて分子メカニズム解析しています。この研究でどのような成果が得られましたか
本研究では、分化後の成熟骨格筋細胞に対する高リン酸の新たな影響が示唆される結果が得られました。今後は、慢性腎臓病に伴う筋萎縮の分子メカニズムについて、さらに詳細な解析を進めていく予定です。
社会にはどのような貢献が期待できそうですか
慢性腎臓病患者に見られる高リン血症と骨格筋萎縮の関係に注目し、リンが筋肉に及ぼす直接的な影響の解明を目指しています。本研究は、慢性腎臓病患者のQOLを向上させる新しい治療法や予防法の開発につながる可能性があります。大学の授業にもこの研究が関係していますか
リンは栄養素の一つであり、高リン血症は摂取バランスの乱れや代謝異常に関わる栄養学的課題です。高リン血症が筋肉に与える影響を明らかにすることは、将来的に治療法の開発へとつながる可能性があります。栄養学の観点からも重要な知見として、授業を通じて学生に伝えていきたいと考えております。研究課題
科研費 基盤研究(C) 25K14929- 研究代表者:石井 愛子
- 2025年4月~2028年3月
関連課題
科研費 若手研究 20K19734- 研究代表者:石井 愛子
- 2020年4月〜2025年3月
この研究が関連する主要業績
- 現在進行中
公開日: 2025年11月21日